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詩的な建築
侘びと寂び
茶室 にて。
作り手の意識がそこに紛れもなく顔を出す。
ごまかしの効かない空間の典型の一つが茶室。
『侘び 寂び』 の代名詞的な空間でもある。
一般の設計でもよく緊張感を意図的にプランに組み込むこともあります。
感性であれ、すべて、相対するものがあってこそ
その価値が顕在化されてくる。
虚飾のない茶室は、時に心地よい緊張と規制とを伴なって
目の前に迫ってくる。
こちら側の潜在意識が程よく呼び覚まされて、日常の喧騒や
わだかまりから解き放され、包み込まれているのを自覚する。
かくして、安寧で、心地よい とは いくばくかの緊張と私自身の意識とが
顕在化する中で自受され感受されるのだ と呼び覚まされされている。
質素なおもむきの空間は、また多くの気づきを与えたりする。
過剰な華燭は、知らぬ間に多くのものを見失わせる。