詩的な建築
建築的心象風景
親しみと愛情を持って・・・・・
もう二十年近く前に以前の事務所で担当し
お世話になっている方からのちょっとしたご相談の
打ち合わせを兼ねて何年ぶりかでお宅を拝見しました。
その間は、ところどころの傷みや、ちょっとした
雨漏りなどもあったそうですが、工事を請け負った
業者さんに都度、依頼し手入をされていました。
結構な規模のお宅で、少々複雑な形態です。
さほど古びたといった感じもなくて、
また、きれいな住まい方をされて居られました。
このお宅では、御主人をはじめ御家族がとても
住まいを気にいっており、愛情深く思って住んで
おられるのだそうです。
私としては、なによりもうれしい感想です。
なにより、住まう方や使われる方が、
建物に対して、愛情をもっていただいていることはとても素敵なことです。
その方々の生活・個性に添って計画し設計されて、日々の親しみがかさなり
なお更に愛着も深いものとなります。
そのように維持していくと、建物は相当な寿命を持つことができます。
もう一つ、見方を替えて意味深いことは、
愛情を持たれている、住まいや建物は、その住む人や、
使う人の日常と共に生きながら
安堵感や安らぎを与え、生活を・より豊かに良く導いてゆく・
という働きの作用をなしているということです。
それほどに、建物は身近にあり重要な存在であると考えています。
洋服や、お気に入りの小物なども同じように、愛着をもって
大切にするほど、持ち主自身を励ましたり、和ましたりすることが
あるように・・・・、
建物は包み込むという役割で、人と時間を共有しながら・・・・・。
それらのことを想起し、愛情をこめて計画し、造り上げるか、・・・・・
私が最も大事にしているところであり、また役割だと考えています。
それによって、その建物の寿命も、人の日常にも善くも悪くも影響を及ぼしているのだからと、
自覚を深くしなければならないと改めて感じたのでした。



