詩的に建築を・骨のある話 軸組編

     

    いわゆる 構造 というものは人体なら

    骨格になる

     

    近頃の 計算通り の計算が成り立たぬ

    構造もある・・・・柔軟な骨格・・・

     

    骨組みに軟骨のような機能を持たせる

    構造があります・・・・

     

    しなやかさをもつ構造・・・・

     

    上屋全体が免震構造なのである・・・

     

    それも、今は昔 の構造・・・・・。

    だが・・・五重塔や大きな神社伽藍は

    多くの地震に耐えている・・・・。

     

    多少の手当ては受けてもめったに弱音を吐かない・・・

     

    なぜなら、母なる大地の変動を素直に想定して

    その動きに見事に追随する・・・親思いの構造・・・

     

    そこにあるのは、 理に叶った あそび 心 なのである・・・

     

    締め付けず、互いに力を受け流すように働く・・・

     

    あそび もまんざら悪いことではない・・・

     

    けれども・・・この技を施す教育者は今はほとんどいない・・・

     

    ・・・その名は・・・筋金入り匠職人。

     

    骨一本一本の働きを知り、見事に組み上げてゆく・・・

     

    軟骨は 組み手 と呼ばれる・・・

     

    コンクリートよりも鉄骨よりも実は強いのが

    この 木組み なのである・・・。

     

    仕方なく今は、骨格をがちがちに組む。

     

    あるいは、コンクリートで固める・・・。

     

    ボルト、溶接、セメント、とにかく

     

    がっちり仕組まなければならない・・・

     

    ・・・だから、絶対、計算の手抜きなどしてはならぬ。

       材料もケチったりするな・・・・・・・・!

     

    大黒柱・芯柱 のこと

     

    大黒柱は太くて実に頼もしい・・・

     

    上屋の中心にあって、屋根の重みを一手に

    引き受ける・・・。

     

    近ごろは、半強制的家族平等みたいに皆で支えあう・・・

     

    実は大黒柱や、塔の芯柱は、見事に小屋組みや

    他の梁や子柱がよりそうように仕組まれている・・・

     

    なぜなら・・・寄り添うことによって初めて

    大黒柱・芯柱もバランスを取ることができるのである。

     

    親父の権威も、妻子あってのものであるように。

     

    従いながら、見事に旦那を操縦しているかのように・・・似ている・・

    (一家安泰の秘訣 かもしれない・・・・。)

     

    つづく・・・

     

    (木組み ・・・

    組み手:多種多様のそれぞれの箇所に応じた組み手があります。木の性質を活かし木が変化することも想定して重さ・力を受け流すように仕組まれます。 また、壁には、貫構造という柱を横に貫通する貫材を通して、柱同士がある傾き以上に倒れない仕組みがあります。)

     

PAGE TOP